うつ病は家族の理解を得て,治療・リハビリを続けて受ければ治る病気です.
   うつ病のリハビリを始めたら,体力づくりとストレス・マネジメントを心がけましょう.
   リハビリ生活にも慣れ,生活リズムが整い,体力もついてきたら,
   徐々に復職転職の準備を始めましょう.


 

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うつ病リハビリ応用編 復職・転職への道


メンタルヘルス・マネジメント検定II種・III種 テキスト&問題集 第2版
メンタルヘルス・マネジメント検定の非公式テキスト・問題集.非公式ながらも判りやすい内容となっています.
 2015年12月に従業員50人以上の会社に「ストレスチェック」が義務化されてから,メンタルヘルス・マネジメント検定というのが注目度を増しています.
 自らのストレスにも気づく「セルフケア」,部下の不調を防ぐ「ラインケア」の双方の知識が身につきます.社会人としては,V種のセルフケアを学んでおくと良いでしょう.
第1章 メンタルヘルスケアとは(2種・3種)
第2章 ストレスとメンタルヘルスの基本(2種・3種)
第3章 職場環境等の評価と改善(2種)
第4章 従業員のメンタルヘルスケアと管理監督者自身のセルフケア(2種)
第5章 セルフケア─ストレスへの気づき方と対処方法(3種)
第6章 部下からの相談の対応(2種)
第7章 社内外資源との連携とプライバシーへの配慮(2種・3種)
第8章 職場復帰支援の方法(2種)
模擬問題 2種
模擬問題 3種


 これまで第一線で働いてきた方で,うつ病になられた方.今,うつ病で休職中の方.まずは焦らずに自分なりの社会復帰を心がけましょう.職場の方や産業医,主治医と相談し,十分な休息治療を取って,体力・集中力を回復させてから,復職への道を探りましょう.


 社会復帰に向けての第一歩としては,図解が豊富で読みやすい図解 やさしくわかるうつ病からの職場復帰が参考になります.
 活字に抵抗が少なくなった状態ならうつ病の人の職場復帰を成功させる本 支援のしくみ「リワーク・プログラム」活用術も良いでしょう.
 より精神的・肉体的にも不安なく大丈夫な状態なら,現役 精神科産業医が教える 「うつ」からの職場復帰のポイント[第2版]を参考書として読み進めることをお勧めします.

 また復職しても,焦って昔のようにアクセル全開で働くのは危険ですよ・・・.上司の方や産業医の方と,復職プログラムを念入りに組んで,復帰はじめは,アクセル全開当時の50%程度の力加減で,仕事をこなすことを意識していきましょう.半日出勤を1ヶ月程度続けるのが理想と言われていますが,実際は2週間程度の場合もあります.会社の都合も無視できないでしょうが,自分でコントロールするしかありません.

 また頑張りすぎて,うつ病を再発してしまう人も少なくありません.焦ってキャリアの遅れを取り戻そうとしなくてもいいのです.年下の人が上司かもしれません.時には,ぞんざいな扱いをされるかもしれません.でも理解してくれる人もいます.むしろ大半の働いている人は,自分の仕事に専念しているため,復職してきた自分のことを,あまり気にしていないかもしれません.ですから,復職したら,いま自分で出来る仕事,現実だけを見つめて,無理せず消化していきましょう.

 ※なお例外的なケースで,うつ病発症により休職後,復職でなく退職を選んだ体験談もあります(ツレがうつになりまして。).



復職・転職の時期
 まず,朝はきっちり起きれるようになりましたか? 日中,散歩や運動などで体力を使ってもダウンすることはありませんか? 日中,事務的な計算など集中した作業をしても,頭痛や肩こりなどの身体症状は現れませんか? 朝から起きて食事もして,夜になったら眠れるようになりましたか?

 仕事に関わる情報を目にして,動悸や緊張は生じませんか?

 これらの項目をクリアして,なおかつ意欲が出てきたら,復職転職へのステップアップの時期です☆ 

 まだ,過度の緊張や不安があるなら,心の根底にある不安・不満を書き出してみましょう.問題を表面化することで,現実的な解決策も見つけやすくなります.体力・気力に自信のない方は,日中に散歩など外出し,図書館や喫茶店などで事務計算をしたり,自宅でもパソコン作業にトライしてみましょう.心身共に持続力をつけるトレーニングになります.



復職プログラム
 休職されている人は,元の職場に復職するのが基本だと思ってください.でもうつ病治療のために退職せざるを得なかった方,元の職場ではストレス負荷が高すぎると,医師などからも判断された方は,転職という選択肢もベターだと思います.

 社会復帰の時期を判断するのは,上司(会社)の方や本人だけで決めないでください.必ず産業医や主治医と共に,段階的に仕事の質・量を調節していけるような復職プログラムを組みましょう.

 大手企業では,すでに復職プログラムを取り入れているようですが,中小企業ではまだまだ浸透してないのが現実.うつ病罹患率が近年高まり,労災申請件数も増えていることから,徐々にメンタルヘルス対策を取り入れている職場もありますが,全てがそこに人材や資金を投入しているわけではありません.

 ですので,社会復帰(復職・転職または別の道)については個々人で状況が異なることも多々あります.よって主治医の意見を中心に,スムーズな社会復帰を心がけてリハビリをしていきましょう.

 ※ちなみに独自で社会復帰プログラムを組んだ方には,体力作りにプラスして 簿記の勉強をして資格まで取ったりして(簿記のしくみが一番やさしくわかる本)職場を想定しての頭慣らし(神経系ストレス負荷をかけるリハビリ)をした方もいらっしゃいます.



■理想的な復職プログラムの一例■
●自分なりの通勤練習(復職前の1か月ほど):
 これは会社へ正式に復帰する前の段階です.
 まずは職場周辺まで通える体づくりをするわけです.
 本番前に必ず,少しずつ体力・気力的に負荷をかけてください.

●本番の通勤練習(休職扱い・給料なしで2週間ほど):
 週に2〜3日から通勤を始めます(社内に入って仕事).
 体調が急悪化したら日数や時間を減らしてもよい期間です.
 あくまで1人1人のその時の病状に合わせてやれば良いようです.

●通勤に慣れてきたら,半日復職(2週間〜1か月,給料支給開始):
 午前中だけとか午後だけの半日出勤をして,簡単な事務的処理,
 あるいはかつて慣れ親しんだ仕事の手伝いなどをします.

●半日復職で慣れたら,残業なし業務へ復職:
 ここからは,上司・産業医などと相談で通常勤務に入ります.
 代りに残業・出張など無しで1年ほど試し運転が望ましいようです.

●復帰後1年以上たったら通常勤務:
 1年以上,上記のようなストレス負荷の少ないペースで仕事をこなし,
 主治医・産業医・上司の判断により,残業・出張ありの通常勤務に完全復帰になります.
  (でも焦りと無理は禁物ですよ(・ω・b)



■筆者の知人の復職例(良くない例)■
 ●準備不足で,いきなり半日復職(2週間):
  産業医・上司との相談時に午前・午後を選べたそうですが,
  いきなりの半日出勤...しかも慣れない部署で,仕事スタート...

 ●2週間たったら通常勤務:
  1か月もたたないうちにフルタイム勤務.残業もされているそうです...
    (良質な復職プログラムを導入しているかどうかは,やはり企業間に大きな差があります)



転職を選んだ方へ
 筆者のように社会進出前で,アルバイトリハビリから始める人は,アルバイトから派遣社員,正社員への転職という流れになる事もあります.それぞれの,転職の時にも,主治医に意見を求めてください.その時点で転職先に,うつ病治療経験のことを伝える必要があるかなど,判断してもらうのが良いと思います.フルタイムの転職に際しても,適切な指導をしてくれるか,デイケアといった転職前のトレーニング所を紹介してくれます.これからもお世話になるのが,主治医なわけです.とことん相談してみましょう.

復職・転職される方へ
 一度うつ病になったわけですが,その原因を思い出してください.当時,頑張りすぎてしまいましたね.同じ轍を踏まないよう,昔の栄光を取り戻そうと頑張らないでください.昔の半分でも質の高い仕事をすることはできると思います.焦らず・じっくり・慎重に・・・うつ病再発を避けるためにも,肝に銘じてくださいね.



 ■上司の立場の方■
 うつ病になった部下が復職したとき「一進一退の気持ちで急がず,焦らさず,ゆっくり,少しずつ」という職場復帰へのプロセスを理解してください.うつ病は一進一退で,気分の波も出やすい病気です. 完治後もストレス負荷が大きければ,再発するリスクの高い病気です.

 本人が頑張り過ぎないようにも,頻繁に軽く声をかけてください.励まし・激励というよりも,出来ている作業に対して認め・褒めるなどのコミュニケーションが大事になります. そういった,無理のない範囲のコミュニケーションが,患者さん本人にとって不安やストレスの軽減になります.

 ★参考書は上記で紹介した書籍以外に,基礎からはじめる職場のメンタルヘルス―事例で学ぶ考え方と実践ポイントや,うつ病リワークプログラムのはじめ方など,上司の方・社内向けのリワークブックもあります.





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