うつ病は家族の理解を得て,適切な治療と適度なリハビリを続ければ治る病気です.
   うつ病のリハビリを始めたら,ストレス・マネジメントを心がけていきましょう.
   心理療法による治療,特にカウンセリングでメジャーなのが,認知療法です.
   これまでのご自身の『考え方=認知のあり方』,うつ病発症当時のご自身を,少しずつ振り返りませんか?


 

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認知療法の進めかた

 認知療法や心理療法では,患者さん(クライアント※1)と治療者(医師・カウンセラーなど)との面接・カウンセリングを行います.治療者側は聞き手にまわることが多く,話の中から患者さんの抱える負担・問題を顕在化させていきます.患者さんは悲観的な考え方や認知の歪みを吐露して,自分自身で内なる問題源に向き合います.治療者は患者さんの対話を基に,患者さんが自分で問題に気付き納得し,少しずつでも『自己消化』できるように導くお手伝いをしている...それが再発予防にもなるわけです.

※1 広義のカウンセリングでは,クライアント(client)=来談者・相談者であり,必ずしも患者さん(patient や inpatient)であるわけではありません.
  認知療法やカウンセリングを語るとき,用語としては「クライアント」が通例ですが,うつ病治療をテーマにしたサイトなので,あえて「患者さん」としています.


認知療法の一般的な治療スケジュール
 認知療法は,対人関係療法と同様に,患者さんと医師・カウンセラーなどが面接を通して進めます.1回45分から50分の面接を,週1〜2回からはじめ,症状が安定してきたところで月1〜2回のペースに落とします. 1回ごとの面接は,@最初にその回に話し合う問題を決め,Aその問題について集中的に話し合う,Bそれをもとに,次の面接までに何をするか「宿題」を決める,Cその面接で話し合ったことをまとめたり,感想を述べたりする...というのが一般的な流れのようです.


4つの段階とそれぞれの治療目標
  認知療法のスケジュールは4段階に分かれます.

 第1段階: 「悲観的な認知に気づく」
  まず大切なことは,認知療法をよく理解し,悲観的な見方・考え方のために気持ちが落ち込むというこということに気づくことです.そして,認知の歪みと自分の感情や行動とが,どう結びつくかを明らかにします.

 第2段階: 「自分の認知を現実の中で検討する」
 自分の見解・考え方が現実的に見て,妥当なものかどうかを探っていきます.それまでの状況を振り返り,自分の考えはどのような事実に裏付けられているのか,あるいは自分の考えと正反対の事実はないか,などについて見ていきます.

 第3段階: 「現実的な判断をする」
 第2段階のように,自分の考えを現実に沿って,具体的に探っていくと,自分の特徴的な考え方のパターンに気づくようになります.そこで,それまでの悲観的・否定的な考え方でなく,もっと広い視野から物事を見たり考えたりして,現実に即した判断ができるようにしていきます.

 第4段階: 「認知の歪みを常に自分でチェックする」
 つい陥りやすい悲観的な考え方・見方をたえず自分自身でチェックし,何か問題が起きても悲観的に考えないよう,うまくコントロールできるようにしていきます.これが治療の最終的な目標です.


 なお,このスケジュールを通して「宿題」が患者さんに出されます.なんと,この宿題が治療の主軸にあたります.患者さんの状態によって内容は変ります.日記をつけたり,面接時のテープを聞き返す,また何かを実行してみる等々がテーマになります.日記の効果などは,次の項目にて説明します.




 上記は医師・カウンセラーさんによるカウンセリングでの,認知療法のスケジューリングの一例です.ですが,必ずしもカウンセリングに通う必要がある患者さんばかりではありません(筆者もしかり).医師との会話でも十分カウンセリング効果があることもありますし,また自分で参考書を利用して,自分の考え方の癖やコミュニケーションの取り方などを模索することもできます.

★自分で認知療法にトライするなら★
 精神科医の大野先生の書かれた>こころが晴れるノート―うつと不安の認知療法自習帳は,カウンセリング現場で教科書として使われていることが多く,薄めの自習帳なので気軽に取り組めます.また心理カウンセラーの下園 壮太さんが書かれた,うつからの脱出―プチ認知療法で「自信回復作戦」 も参考になると思います.どちらも難しく考えず,気軽に取り組むのくらいの気持ちで始めてみましょう.





エゴグラムで性格診断してみよう

   認知療法では,自分の考え方=認知の歪みを補正し,前向き思考・ポジティブになるためのリハビリ・トレーニングでした.ですが,自分の認知や考え方の偏り方,ましてや性格といったことを,客観的に判断するのは,難しいことです.そういうときに,エゴグラム診断によって,自分の性格の特徴をつかむことが,認知のゆがみを補正するのにも役に立ちます.


 「エゴグラム」とは,人の心・性格を5つの領域に分類してグラフにしたものです.エゴグラムはどの型が優れているとか,逆に悪いとかいうものではありませんが,多くのエゴグラムを解析した結果,ある種の共通した性格や生き方が見られることもわかっています.

 ネット上でもヤブイシャ ドットコムのエゴグラムで性格診断でき,自分の性格の特徴をグラフ付きで解説してくれます. 
     エゴグラム



   分かりやすくするために,筆者の結果を紹介します.
   「なんでも出来ちゃうスーパーマンタイプ」だそうです.













グラフの説明をしますと,値が高いほどその性格性が強く,左からパターンを説明すると,

CP: 自分にも他人にも厳しい.責任感が強く,善悪をわきまえる性格.
NP: 誰に対しても寛容で優しい性格.思いやりやがある反面,世話焼き症といえます.
 A: 冷静に物事を判断,分析できる,いわば大人の心です.
FC: 赤ん坊のような,我がままな性格を表しています.
AC: よく言えば協調性が高く,悪く言えば主体性がなく依存的な性格です.


 筆者に関しては,極端に1つの要素が欠乏しているV字型でございます.エゴグラムは人格の成長と共に変化します.そこで,Aの要素を高める努力を試みようと思います.みなさまも,エゴグラムでどんな結果が出るか,試してみてください.足りない要素があったら,次に挙げる方法で,自己診断・自己修正トレーニングしてみてください.


★Aを高める方法
 日記をつけることが有効だそうです.1日の出来事を羅列だけでなく,自分の思ったこと,他人ならどうしただろうか,問題点はあったか,考えることが大切です.日記は偏った考え方を見直す「認知療法」でも使われる,メジャーな手段です.
 「思う」だけでは,頭の中でモヤモヤしたままで終わってしまいがちですが,「書く」という作業は言葉に置き換える作業であり,言葉に置き換える作業では「思い」を整理しなくてはいけません.このように,日記をつけることは,物事を整理し,自分と周囲の関係や出来事と向き合う機会を与えてくれます.そこから適切な考え方で前向きな思考につなげるトレーニングと言えます.

★CPを高める方法
 CPの低い人は一言で言うと,ルーズ.それを正せれば良いですが,ルーズな人が突然きちんとするのは難しい.手帳などにその日の日程表や時間割を作って,守るようにしたり,毎日お金の収支を計算をすることでもCP的な心が育つそうです.
  また,批判力を高めるために,相手の話を聞き流さず,合間に自分の言葉で相手の主旨を再確認してみる.間違いや疑問に感じたことがあれば,その場で指摘するなどです.

★NPを高める方法
 自分の周りの人たちの長所,好ましい所を考えます.NPが極端に低いと,他人の美点が見えにくいものですが,意識的にそれを探すことを続けているうちに,やがては自然にそこに目が行くようになります.

★FCを高める方法
 活気のないのがFC欠乏人間です.で,活気があるように振舞って見ましょう!「うわ〜!」「すご〜い!」とか感嘆符を意識して使ってみましょう.些細な感情も,言葉に出さないでいると,感情がどんどん内向的になってしまいます.

★ACを高める方法
 他人の反応に鈍感なところを,修正していきます.まず会話をするときは,できるだけ聞き役に回ること.会話の合間に「それはどうなったの?」など聞き返して,相手の気持ちを聞き出したりする言葉を意識的に多くします.
 聞いたところで,たいていの場合はこんな答えが返ってくるなどと先入観で避けるのでなく,ACの足りない人には,じっくり聞いて相手の表情や感情,言葉づかいの裏側にあるものを探るのが大切だそうです.



 このエゴグラムサイト,更新するごとに質問が入れ替わりますので,何度でも出来ます.メンタルトレーニングを続け,時期を置いて,自分のストレスマネジメントの指標として,エゴグラムを活用してください.





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