うつ病治療の基本は「休養」と「投薬」です.
   うつ病は,特に家族の理解を得て,適切な継続治療を受ければ治る病気です.
   
   リハビリに入る前に,まずうつ病治療中の精神・身体症状の変化に注意しましょう.


 

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うつ病のリハビリ前 焦らず休養・治療を

 下図は,診断ガイドの「うつ病治療の基本」で紹介した,うつ病の治療ステップ図(Kupfer DJ.1991より)です.この図を使って,治療期間,あるいは治療前・後の精神面での急な変化があることに注目し,うつ病治療で注意しなければならないことに,ここで触れておきたいと思います.

 うつ病治療経過で,何に対して注意が必要か,,,それは,うつ病治療中にもかかわらず,些細なことをきっかけに,患者さんが自殺念慮・希死念慮に陥り,実行してしまう危険性があることです.なによりも,筆者自身,下図のうつ病回復期(緑)にあたる時期に実行した経験があります(詳細は闘病記の4月を読んでください).

 うつ病治療ステップ図の紫色の部分,発病初期・再燃初期・再発初期,および急激に気分が変化する回復期に関しては,患者さんの心境は非常に変化が激しく,些細なことでも傷ついたり,自責の念に陥り,希死念慮に取り付かれるというのは少なくありません.もちろん,うつ病の一番辛い時期である低迷期(青色)の方が,落ち込みも酷く,自殺企画などが現れやすいのも事実です.しかしながら,低迷期というのは,体力的にも億劫であったりして,実際行動に移すことができないケースも多いのです.うつ病の低迷期・その他の時期でも,明確な死に対する言動・行動がある場合は,医師と相談するなどして,十二分な対応を取ってください).


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  むしろ,うつ病治療ステップ図の紫・緑の時期というのは,落ち込みや自責の念から希死念慮に取り付かれたとき,体力的に余裕があるため,些細なことをきっかけに,実行に移しやすい時期なので注意がいります. 患者さんのうつ病症状が急激に回復してくる緑色の時期というのは,見かけ上は,元気になってくるのですが,精神的にはまだまだ不安定な時期です! まだまだ,ご家族や友人などの言葉・態度に対しても非常に敏感です.元気そうだからといって,気軽に冗談程度のつもりで,患者さんの内面を指摘するようなことは,それまでのように避けてください.

 精神症状・身体症状が回復傾向に見えても,新しいうつ病エピソードが発生して,うつ病の再燃・再発の状態に陥った場合も,注意が必要です.体力や行動力がある分,患者さん本人が自責の念に駆られてしまうと,自分を責めて急激にパニック状態になることもあります.そういったときには,患者さん自身に責任が無いことや,パニック発作なども「うつ病」のせいであって,本人のせいでないのだと,患者さんを支えてあげてください.


 患者さんご自身も,治療中は良くも悪くも波があることを理解してください.ご自身に責任などがあるわけでなく,うつ病だから辛いのだと考え,治療に専念しましょう.精神的に症状が急激に回復しても,落ち込み等のリバウンドがあったらまだ不安定な状態です.大きな決断や復職などへの焦った行動は控えましょう.大きな鬱の波が,徐々に小さくなって安定し,徐々にやる気が湧いてくるまでは,治療の基本である『休息』に専念してください.医師ともども大丈夫そうだ・・・その判断が出てからでも,徐々に体力作りや軽作業に進めばいいのです.復帰などの焦りは禁物です.


うつ病治療中の精神面をチェック
  ・家族などの会話が億劫だったり,誰かと話す気になれない.            ○ ×
  ・仕事や社会復帰に焦っている.自分は怠けているに違いない.          ○ ×
  ・規則正しい生活・食事は,まだできていない.                     ○ ×
  ・テレビや新聞,インターネットなど見る気にはなれない.               ○ ×
  ・最近随分と気分が楽になったが,まだ酷く落ち込む事もある.           ○ ×

  ○が多く当てはまった人は,もうしばらく,様子を見ながら治療に専念してみましょう.
  ○が少ない人も主治医から止められている場合は,リハビリより投薬・休息治療を優先してください.自分が治療中であると自覚すること,うつ病は再発しやすい病気だということを心掛けてください.
  なお,ある程度安定してきたら,できるだけ規則正しい生活は心掛けましょう.一旦は早めに起き,辛かったらまた寝ても構いません. 『一旦起きる』所から,体内リズムを整えていくことが大切です.




あなたの大切な人が「うつ」になったら

治すために家族や友人ができること,できないこと.
著者のコメント:あなたは医師ではないしカウンセラーでもない。大切な人を「治す」ことはできないのだ。治すのは医師であり、カウンセラーなどの専門家だ。あなたは、「治すのを手伝うだけでいい」と思おう・・・。一人で何もかも抱え込んでしまってはいけない。あなたには、できないこともある。「何とか助けられないか」という気持ちはわかるが、あなたまで落ち込んでしまっては、二人とも病気に負けたことになる。
プロローグ つらいのは,あなたのほうかもしれない
第1章 「大切な人」は,本当にうつなのか?
第2章 夫、妻、恋人が「うつ」になったら
第3章 親や息子・娘が「うつ」になったら
第4章 部下・同僚が「うつ」になったら
第5章 一緒に「うつ」を治していこう



家族・支援者のための うつ・自殺予防マニュアル
家族・支援者のための
うつ・自殺予防マニュアル

もしも大切な人が…希死念慮に陥ってしまったら...
人の力で自殺を100%予防することはできません.ご家族・周囲の人にできることは,まず自分自身を落ち着かせること.死にたいと思っている人の気持ちを少しでも楽にさせ,自殺を思いとどまらせるために必要な方法や手順を知ることです.
第1章 自殺したい気持ちや行為をどう捉えるか
 (なぜ人は自殺をしてしまうのか
 当事者のうつ状態の苦しさを理解する)
第2章 うつ状態を悪化させ,
 “死にたい気持ち”を生じさせやすいもの
 (個人の持つ対処の癖・表面飾り)
第3章 具体的対策
 (どこをゴールとするか 兆候への対応では限界がある)
第4章 ケーススタディ
 (リストカットへのしがみつきのケース
 職場カウンセラーが当事者を長期間支援しつづけるケース)





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